使用の目的：香料
類似した成分：チョウジエキス
オイゲノールとは一部の口紅や香水などに含まれている成分で、化学式C10H12O2で表されるフェノール誘導体の一種です。常温では無色から黄色の液体で、水に溶けにくくエタノールやアセトンに溶けやすい性質を持っています。天然にはクローブやローリエ、シナモン、一部のカーネーション等に多く含まれており、これらを抽出することで、もしくはグアヤコールから合成することで得ることができます。
特筆すべき性質としては特有の甘い香りが挙げられます。オイゲノールは丁子やカーネーションの匂いとして有名で、揮発すると独特の甘くスパイシーな香りを感じさせます。また、その香りには気分を高揚させる効果が認められています。香料以外の用途ではやや癖が強い香りであることを活かし、誤飲防止の変性剤として、あるいは殺菌効果を期待して利用されることもあります。
天然由来の成分で食品や医薬品としてもお馴染みの成分で、安心、安全に利用可能です。また、かつてはバニラの匂い成分であるバニリンを合成するために用いられていたこともあります。しかし、オイゲノールの香りはやや好き嫌いが分かれ、また、歯科用の麻酔としてもお馴染みの成分のため、しばしば「歯医者の匂い」として認識してしまいます。
類似した成分としてはチョウジエキスが挙げられます。チョウジエキスはクローブの花から水やエタノールで有効成分を抽出することによって得られ、タンニンやフラボノイド等を主成分としており、抗酸化作用や抗炎症作用などを期待して化粧品に配合されています。抽出物には通常、オイゲノールが豊富に含まれていますが、オイゲノールの特有の匂いを嫌う場合は予め除去して利用されます。
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