リンゴ酸ジイソステアリル

成分

使用の目的:基剤成分

類似した成分:ジカプリル酸プロピレングリコール

 リンゴ酸ジイソステアリルとはメイクアップ製品を中心に化粧品に幅広く含まれている成分で、化学式C40H78O5で表されるリンゴ酸とアルコールのエステルです。常温では無色透明の液体で、水とは馴染みにくい一方、油性成分とよく馴染みます。工業的にはイソステアリルアルコールとリンゴ酸をエステル化反応することによって得ることができます。

 特筆すべき性質としては油性の基剤成分としての優れた性能が挙げられます。リンゴ酸ジイソステアリルは様々な油性成分と馴染みやすく、製品の基剤として用いると通常では馴染みにくい鉱物油と植物油を仲介し、安定した状態で共存させることができます。また、酸化チタンや酸化鉄に代表される顔料や粉体を分散させる作用にも優れているため、メイクアップ化粧品の品質をより安定させることが可能です。

 化粧品に一般的に利用されている成分で肌への刺激性や毒性も確認されていないため、安心、安全に使用することができます。また、しばしば油性成分は肌につけるとべたつきが気になりますが、リンゴ酸ジイソステアリルはあまりべたつかないため、肌への付け心地が良好です。しかし、成分の粘性が高いことから、高濃度で配合すると製品の使い心地がやや重くなってしまいます。

 類似した成分としてはジカプリル酸プロピレングリコールが挙げられます。ジカプリル酸プロピレングリコールはリンゴ酸ジイソステアリルと同様に油性成分の基剤として用いられますが、粘性が非常に低く、使用感が滑らかなことが特徴として挙げられます。製品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。

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