ベルガモット果実油

成分

使用の目的:香料、鎮静作用

類似した成分:グレープフルーツ果皮油

 ベルガモット果実油とはスキンケア製品、フレグランス製品を中心に利用されている油分で、ミカン科の植物ベルガモットの果実及び果皮を圧搾もしくは水蒸気で蒸留することによって得られます。化学的にはリモネンや酢酸リナリル、リナロール等を主成分としており、圧搾法で生産したものにはフロクマリンの一種であるベルガプテンも含まれます。

 特筆すべき性質としてはその特徴的な香りが挙げられます。柑橘系の精油の香りは一般的に甘さと酸味のバランスで成り立っていますが、ベルガモットは甘さと酸味に加えて独特の苦味があり、落ち着いた印象を与えます。また、その香りには優れた鎮静作用があり、心身をリラックスさせてくれるため、フレグランス製品を中心によく用いられています。香り以外ではリモネンなどの作用を活かして皮膚のコンディショニング剤として利用されることもあります。

 天然由来の成分で、多くの人にとって心地よい香りと感じさせてくれます。しかし、成分中に含まれるフロクマリン(ベルガプテン)は紫外線を浴びることで強い光毒性を発揮し、肌荒れやメラニン色素沈着の原因となるため、特にスキンケア製品の使用後はなるべく直射日光を避け、外出する場合は日焼け止めをしっかり塗るようにして下さい。最近ではベルガモットBGF、FCFと呼ばれるフロクマリンの含有量を抑えたものが開発、利用されるようになっており、光毒性のリスクは減少しつつあります。

 類似した成分としてはグレープフルーツ果皮油が挙げられます。グレープフルーツ果皮油はベルガモット果実油と同様に柑橘系由来の油分で、主に香料として用いられていますが、グレープフルーツ特有の香り成分ノートカトンの影響で、ベルガモットと比較してより爽やかな香りであることが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされています。

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