使用の目的:赤色顔料
類似した成分:トウガラシ果実エキス
パプリカ色素とは一部のメイクアップ製品、入浴剤等に使用されている成分で、カロテノイドの一種であるカプサンチンを主成分としています。トウガラシ色素と呼ばれることもあり、常温では赤もしくはオレンジの粉末、もしくは液体で、水に馴染みにくく、油と馴染みやすい性質を持っています。工業的にはナス科の植物パプリカから有効成分を抽出することによって得られます。
特筆すべき性質としては優れた赤色顔料としての性質が挙げられます。パプリカ色素は原料であるトウガラシやパプリカが赤やオレンジに見える原因の成分で、天然由来の顔料としては発色が鮮やかで他の油性成分とよく馴染むため、口紅などの赤色成分として使われます。
天然由来で食品添加物としてもお馴染みの成分で、他の赤色顔料であるタール色素やコチニール色素と比較しても低刺激であるため、安心、安全に利用可能な成分です。また、その安全性の高さやアレルギー性の低さが故に多くの国で利用可能です。しかし、タール色素等と比較して紫外線で退色しやすい傾向にあるため、しばしばトコフェロールなどの酸化防止剤と組み合わせて利用されます。
類似した成分としてはトウガラシ果実エキスが挙げられます。トウガラシ果実エキスはパプリカ色素と同様に赤色顔料として用いられますが、カプサンチンの他にカプサイシンを含んでおり、血行促進や温感などの効果も期待できます。カプサイシンは比較的刺激の強い成分であるため、単に赤色だけを求める場合はパプリカ色素、血行促進の機能性に重きを置く場合はトウガラシ果実エキスが用いられます。