ジメチルエーテル

成分

使用の目的:噴射剤

類似した成分:窒素

 ジメチルエーテルとはスプレー状の化粧品に含まれている成分で、化学式C2H6Oで表されるエーテルの一種です。常温では無色透明の気体で、化粧品成分としてはDMEと表記されることもあります。水に比較的よく溶け、また、エタノールには極めて溶けやすい成分で、工業的にはメタノールを硫酸等で脱水することによって得られます。

 特筆すべき性質としてはいわゆる「不活性ガス」であることが挙げられます。ジメチルエーテルは常温では極めて安定性の高い期待で、他の物質とほぼ反応しません。また、加圧して容器に封入した状態で噴射すると膨張し、圧力を発生させます。そのため、ミスト系製品の有効成分の噴射剤として利用されており、容器には気体もしくは加圧して液体の状態で封入して使用します。

 いわゆる不活性ガスであり、肌への刺激性や毒性もないため安心、安全に利用可能な成分です。また、加圧すると容易に液体になるため可搬性に優れているほか、かつて利用されていたフロンガスのように特定の条件で分解し、環境等に悪影響を及ぼすこともありません。しかし、水やエタノールに溶けやすく、特有の臭いがあるためやや成分の組み合わせに制限が生じます。また、高圧での封入が可能ですが、気化すると熱を奪うため冷たい使用感になってしまいます。

 類似した成分としては窒素が挙げられます。窒素はジメチルエーテルと同様に不活性な気体であるため、化粧品の噴射剤として好んで用いられますが、無臭で水にも油にもほとんど溶けない点で異なります。そのため、製品の性格に合わせてジメチルエーテルやLPGとの使い分け、もしくは併用がされています。

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