使用目的:リラックス効果、ラベンダー、ベルガモットの香り成分
類似した成分:酢酸リナリル
リナロールとはラベンダーやイランイラン、ベルガモット等に含まれている香料の一種で、化学式C10H18Oで表されるモノテルペンアルコールの一種です。常温では無色もしくは薄黄色の液体で、水とは混ざりにくくエタノールによく溶けます。工業的には松脂の主成分であるピネン、もしくはアセチレン、アセトン、ピネン等から幾つかのプロセスを経て合成されます。
特筆すべき作用としては気持ちを鎮め、不安感を軽減する効果が挙げられます。香りは五感の中で最も直接的に脳に作用しますが、リナロールは副交感神経系に作用して身体をリラックスさせ、また、脳内の抗不安回路に働きかけ、活性化させます。甘く心地よい匂いは化粧品だけではなく、食品や芳香剤等の成分としても好まれ、広く利用されています。また、抗菌作用等も確認されており、その目的で用いられることもあります。
リナロールは食品香料としてもメジャーな存在で、肌に対する刺激性もなく安全に利用可能な成分です。精油の肌への直接塗布は推奨されていませんが、リナロール、酢酸リナリルを主成分としたラベンダー精油はその低刺激性から肌に直接塗って使うことができます。しかし、特定の香りを再現する香料として考えた場合、色々な原料に含まれており、必ずしも「ラベンダーの匂い」「ベルガモットの匂い」と感じないことがあります。
類似した成分としては酢酸リナリルが挙げられます。酢酸リナリルはリナロールの誘導体で、リナロールと同様に気持ちを鎮める効果がありますが、睡眠の改善や肌の小さな傷の保護等、やや異なった効果も持ち合わせています。ラベンダーの香りはリナロール及び酢酸リナリルを代表とした幾つかの成分の組み合わせによって成り立っており、原産地や品種によってその割合が異なります。
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