乳酸メンチル

成分

使用の目的:清涼感の付与、香料

類似した成分:メントール

 乳酸メンチルとは一部の涼感コスメに利用されている成分で、化学式C13H24O3で表されるメントールの乳酸エステルです。常温では白色の結晶状のわずかにミント臭のする物質で、有機溶媒に溶けやすく、水にも僅かに溶ける性質を持っています。工業的にはメントールと乳酸を反応させることによって得ることができます。

 特筆すべき性質としては使用した際に体感温度を下げる作用が挙げられます。肌の表皮層、真皮層には温度を感じるためのTRPチャネルと呼ばれるセンサーが存在しますが、乳酸メンチルが肌の表面に触れるとTRPチャネルの中で冷たい温度に反応する部位であるTRPM8が活性化さるため、涼しいと錯覚します。また、乳酸メンチルにはメントールと似たような清涼感のある匂いがあるため、香料としても用いられています。

 同じ冷感成分として知られるメントールと比較して肌への作用や香りが穏やかで、比較的安心、安全に利用可能な成分です。また、メントールよりも水や他の溶媒に溶けやすいため、様々な製品に配合することができます。しかし、作用が穏やかであるが故に、すぐに涼しさを求めたい場合には力不足を感じるかもしれません。

類似した成分としてはメントールが挙げられます。メントールは乳酸メンチルと同様に清涼感の付与を目的として化粧品に利用されますが、より清涼感が強い一方、エタノール以外の溶媒に溶けにくく、また、肌への刺激感も強めです。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされますが、メントールの方がより一般的に利用されています。

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