使用目的:口紅等、メイクアップ化粧品の色成分
類似した物質:タール色素、コチニール色素
紅花色素とはキク科の花である紅花から抽出される天然色素の名称で、化粧品向けとしては口紅やチーク、アイシャドウに主に使用されています。紅花色素は2種類が存在し、化粧品向けで一般的なものは紅花赤色素(別名カーサマス赤色素、フラボノイド)ですが、他に食品添加物等で一般的な紅花黄色素と呼ばれるものが存在します。「紅花赤色素」は紅花の花びらの色素成分から「紅花黄色素」を除去することによって得ることができます。天然の紅花から抽出される赤と黄色の割合は1:99と赤色成分の割合が極めて少ないため、かつては貴重な成分として大変重宝されました。
特徴としては天然成分としては発色が美しく、安定性にも優れていることが挙げられます。発色の鮮やかさではタール色素やコチニール色素には及びませんが、貴重な赤色染料として、古くから大変重宝されました。また、安全性に対しても極めて高く、化粧品だけではなく、食品添加物としてチョコレートや和菓子等の赤色成分として彩りを添えています。
一般的には安心して取り入れることのできる成分なのですが、発色がやや弱いため他の色素成分と合わせて使用されることがあります。この場合、一緒に使用される成分にも着目する必要があります。また、ブタクサやヨモギなどのキク科植物の花粉に対してアレルギー反応を起こしている場合、同じキク科植物である紅花に対してもアレルギー反応を起こすことがあるため注意が必要です。
類似した成分としてはタール色素、コチニール色素等が挙げられます。紅花色素が自然な色味となるのに対してタール色素やコチニール色素はより鮮やかな色味の表現が可能で、また、紅花アレルギーの方も安心して使用することが可能なため、製品のデザインや目的に合わせて成分が選択されています(これらの成分に関しては〇〇不使用と謳っていることが多く、消費者目線で分かりやすく選ぶことが可能です)また、紅花色素が高温で退色しやすい傾向があるのに対し、タール色素やコチニール色素は高温でも安定しています。
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