ヒアルロン酸

成分

使用目的:肌の保湿とそれによる肌状態の改善

類似した物質:セラミド、コラーゲン

 ヒアルロン酸とは化粧水や乳液、ファンデーション等に肌の保湿を目的として含まれている成分で、組成式(C14H21NO12)nで表される高分子の一種です。元々生体内に含まれる物質ですが、加齢と共にヒアルロン酸の量が減少するため、肌の保湿機能は失われてゆきます。化粧品向けの「ヒアルロン酸」と呼ばれる物質で最も一般的なものはヒアルロン酸ナトリウムで、肌の表面に留まり、肌から水分が失われるのを防ぐ役割がありますが、より分子量を小さくして角質層へ浸透しやすくした加水分解ヒアルロン酸等もよく用いられています。

 特筆すべき作用としてはその保湿作用の高さが挙げられ、ヒアルロン酸1 gに対して約6 kgの水を保つことができます。肌の表面で、もしくは角質層に浸透して高い保水作用を発揮することにより、肌のターンオーバーを正常な状態に保ち、また、シワやたるみの発生を予防することができます。元々肌に含まれている成分なので安全性も高く、スキンケアに最も求められる役割である保湿を目的とした成分の代表として使われ続けてきました。

 極めて取り入れやすい成分ではあるのですが、時間の経過により塗った表面に保護膜を形成するため、単独で使用した場合はやや使用感に劣ることがあります。実際の処方では同じく保湿作用を持ったグリセリン等と組み合わせることにより、使用感を向上させる工夫がされています。また、シワ対策の観点で考えた場合、化粧品として肌に塗るのではなく、注射で肌内部に注入した方が即効性が期待できます。

 類似した成分としてはコラーゲン、セラミド等が挙げられます。コラーゲンはヒアルロン酸と比較してより肌の表面に特化した保湿効果を持っており、使用感も潤った感触を得ることができるため良好です。また、セラミドはヒアルロン酸と比較して分子構造が小さく、肌の角質層まで浸透するため、角質層の水分量をより保ちやすくする働きがあります。それぞれ異なった特徴を持っているため、これらの成分はしばしば複数を組み合わせた形で、あるいは化粧品の種類に応じて使い分ける形で取り入れられています。

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