使用目的:エモリエント剤
類似した成分: イソステアリン酸ポリグリセリル-2
トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2とはメークアップ化粧品や日焼け止めに主に含まれている物質で、グリセリンの二量体であるジグリセリンにイソステアリン酸3つをエステル結合することによって得られます。トリイソステアリン酸ジグリセリルと呼ばれることもあります。
特筆すべき作用としてはその優れたエモリエント作用が挙げられます。油性成分と相溶性があること、また、粘性が高いことから、油脂やシリコーンオイル、各種エステル等と混ぜ合わせて使用することにより、肌によく馴染み、水分が失われるのを防ぐことが可能です。また、界面活性剤には分類されませんが同等の効果を持ち合わせており、口紅や日焼け止め等において粉体成分を製品内に均一に分散させるために使用されています。
疎水性の強い構造であることから油に溶けやすく、また、安定性が高く肌への刺激もないため、油性成分がベースとなるメークアップ化粧品や日焼け止めに安心して使用することが可能で、実際に取り入れられています。優れた成分ではあるのですが、ポリグリセリン脂肪酸エステルはこの1種類だけではなく、期待する効果に合わせてグリセリンや脂肪酸の結合数を調整する形で様々な成分が使用されているため、「トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2」の名前を目にする機会は意外に多くありません。
類似した効果を持った成分としてはイソステアリン酸ポリグリセリル-2が挙げられます。イソステアリン酸ポリグリセリル-2はジグリセリンに1つのイソステアリン酸をエステル結合させることによって得られる物質で構造がよく似ていますが、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2と比較して親水性の高い構造となるため、水にも油にも馴染む界面活性剤としての性質により優れ、乳化剤として主に使用されています。
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