使用目的:肌の保湿とそれによる肌状態の改善
類似した物質:セラミド、ヒアルロン酸
コラーゲンとは乳液やクリーム、ファンデーション等に肌の保湿を目的として含まれている成分で、複数のアミノ酸から構成される高分子の一種です。元々生体内に多く含まれている物質で、肌においてはその70%以上がコラーゲンによって形成されており、肌が弾力や水分を保つために重要な役割を担っています。化粧品向けのコラーゲンには幾つかの種類がありますが、最もよく用いられているものが水溶性コラーゲンと呼ばれている成分で、分子が大きいため肌の表面に留まり、保湿作用を担います。また、水溶性コラーゲンを分解することによって加水分解コラーゲンが得られますが、分子が小さいため肌の角質層に浸透することが可能です。製法としてはブタやウシ、魚や鳥等の皮膚や骨などから抽出、精製することによって得られますが、原料による差は少ないと言われています。
特筆すべき作用としてはその保湿作用が挙げられ、水分を保持し、また肌の表面に膜を作ることによって水分の蒸発を抑制する働きがあります。また、コラーゲンによって作られた膜はなめらかな感触を持つため、使用感にも大変優れています。加水分解コラーゲンの一部は角質層のコラーゲンの生成を助ける働きも確認されています。
コラーゲン及びそれを加熱して変性させたゼラチンは元々肌に多く含まれている物質であり、安全性も極めて高く安心して取り入れることが可能ですが、分子量が大きく肌には浸透しにくいため、肌そのものに含まれているコラーゲンを置き換えることは不可能です。化粧品に含まれているコラーゲンはあくまでも肌の保湿を行い、肌の状態を正常に保つ成分として位置付けされており、クリーム等でスキンケアの仕上げ目的で取り入れるのが望ましいでしょう。
類似した成分としてはセラミド、ヒアルロン酸等が挙げられます。いずれもコラーゲンと比較して分子構造が小さく、肌の角質層へ浸透させるにはより向いていますが、製品としての使用感や皮膚表面からの蒸発の抑制に関してはヒアルロン酸が優れており、製品に応じた使い分けがされています。
コメント