ナイアシンアミド

成分

使用の目的:シミ、ソバカスの予防(美白成分)、バリア機能の修復

類似した成分:ビタミンC誘導体

 ナイアシンアミドとはスキンケア、ヘアケア製品を中心に利用されている成分で、化学式C6H6N2Oで表されるビタミンB群の一種です。ニコチン酸アミド、D-メラノ、ニコチンアミドと呼ばれることもあり、常温では白色の結晶もしくは粉末状の物質で、水やエタノールに溶けやすく、油に溶けにくい性質を持っています。ナイアシンアミドは体内でもトリプトファンを原料に生合成されますが、工業的には3-シアノピリジンから合成する方法が知られています。

 特筆すべき性質としてはシミ、ソバカスの予防効果が挙げられます。ナイアシンアミドが含まれた化粧品を肌に塗ると、表皮内に存在するメラノソームと呼ばれる組織で生成したメラニン色素のケラチノサイトへの輸送を妨げ、肌表面への色素の沈着を防ぎます。また、ナイアシンアミドは肌を形成している天然保湿因子であるセラミドの合成を促進する働きも認められており、ダメージによって失われたバリア機能を修復します。

 体内にも含まれている成分で一般的には肌への刺激性や毒性もなく、安心して利用可能です。また、ナイアシンアミドはセラミドだけではなく、コラーゲンの合成も促進するため、スキンケアにおいてバランス良く効果を発揮します。しかし、肌の状態によっては刺激を感じたり、赤くなったりすることがあるため、その場合は使用を控えるようにしてください。 

 類似した成分としてはビタミンC誘導体が挙げられます。ビタミンC誘導体はナイアシンアミドと同様にシミ、ソバカスの予防やシワの予防などに効果を発揮しますが、ナイアシンアミドと比較してバリア機能の改善効果は控えめな一方、抗酸化作用等に優れた効果を発揮します。どちらも化粧品成分としては欠かせない存在で、求める役割などに応じて使い分け、もしくは併用がされています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました