EDTA-2Na

成分

使用の目的:金属イオン封鎖剤

類似した成分:EDTA-4Na、メタリン酸ナトリウム

 EDTA-2Naとは化粧品に幅広く利用されている成分で、化学式C10H14N2Na2O8で表されるジアミン誘導体の一種です。エデト酸二ナトリウムと呼ばれることもあり、常温では白色の結晶性の粉末で、水にやや溶けやすく、油とはあまり馴染まない性質を持っています。工業的にはエチレンジアミンにシアン化ナトリウムとホルムアルデヒドを加えて反応させることにより、大量に得ることができます。

 特筆すべき性質としては優れた金属イオン封鎖剤としての効果が挙げられます。水道水、あるいは化粧品に使用される水には金属イオンが含まれていますが、肌にとって欠かせない栄養素である一方で、石鹸の泡立ちを悪くしたり、他の化粧品成分を変色、沈殿させたりする原因にもなります。EDTA-2Naは金属イオン、特にカルシウムイオンやマグネシウムイオンと反応して錯体を形成することにより、このような化粧品の品質や使い勝手を維持する上で望ましくない作用を妨げる効果を期待できます。

 食品や医薬品に利用されている成分としてもお馴染みで、肌への刺激性や毒性も認められておらず、金属アレルギーを緩和する効果もあるため、安心かつ安全に利用可能な成分です。また、EDTAのナトリウム塩は複数ありますが、EDTA-2NaのpHは弱酸性で肌表面のpHと近いため、化粧品への利用に最も適しています。しかし、成分が環境中に放出された際に生分解性がないこと、ごく稀にアレルギーを引き起こすことなどが問題とされています。

 類似した成分としてはEDTA-4Naが挙げられます。EDTA-4Naはエデト酸の四ナトリウム塩(カルボキシル基と呼ばれる部分の水素が全てナトリウムイオンに置き換わったもの)で、同様に金属イオン封鎖剤として利用されますが、水により溶けやすく、pHがアルカリ性である点が異なります。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされますが、pH等の関係から、EDTA-2Naの方がより好んで用いられています。

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