ラクトンC10

成分

使用の目的:キンモクセイの香料、加齢に伴う匂い変化のマスキング

類似した成分:ラクトンC11

 ラクトンC10とはキンモクセイやベリー系の果実、乳製品等に含まれている香料の一種で、化学式C10H18O2で表されるラクトンの一種です。正式にはγーデカラクトンと表記され、常温では無色透明~淡黄色の液体で水に溶けにくく、エタノールには良く溶けます。基本的には天然由来のものが利用されていますが、微生物の利用等、工業的に合成する方法についての研究が進められています。

 特筆すべき性質としてはそのキンモクセイや桃を思わせる、甘い匂いが挙げられます。ラクトンC10には心の乱れを鎮める作用があり、また、多くの人にとって「心地良く」感じられる匂いであるため、多くのフレグランス製品に取り入れられてきました。また、近年の研究で、ラクトンC10はラクトンC11と共に10代後半~20代の女性の身体から感じられる「甘い匂い」の正体であることが明らかになっています。

 体内でも合成、分泌される成分で果実や乳製品等にも含まれており、食品添加物としても豊富な実績があるため、安心、安全に利用可能な成分です。また、比較的入手しやすい成分であるため、高価なフレグランス製品だけではなく、最近ではキンモクセイのフレーバーや「若い女性らしい匂い」を再現する目的で、比較的手に入れやすい製品にも取り入れられています。しかし、キンモクセイの香りがマスキングの目的で使われていたことから、人によっては美しい花ではなく、芳香剤としての香り、あるいは使われていた場所の好ましくない臭いを思い浮かべてしまうことがあります。

 類似した成分としてはラクトンC11が挙げられます。ラクトンC11は桃の香りとして有名な成分で、ややフレーバーは異なりますが、ラクトンC10と共にフレグランス製品の原料として、あるいは「若い女性らしい」匂いで香りづけするための成分として、共に利用されています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました