トリメチルシロキシケイ酸

成分

使用の目的:皮膜形成剤

類似した成分:ポリメチルシルセスキオキサン、ポリオクタニウム-56

トリメチルシロキシケイ酸とはメイクアップ化粧品や日焼け止め等に含まれている成分で、化学式C6H18O5Si3で表されるシリコーン樹脂の一種です。医薬部外品としてはトリシロキサンと呼ばれることもあります。常温では白色の結晶で、水や油脂と馴染みにくく、シリコーンオイルと馴染みやすい性質を持っています。工業的にはシランを出発原料に合成されます。

特筆すべき性質としては皮膜形成作用が挙げられます。トリメチルシロキシケイ酸はシリコーンオイルに溶解した状態でしばしば用いられますが、肌に塗るとシリコーンオイルが揮発し、トリメチルシロキシケイ酸が肌の上で無色透明の皮膜を形成します。この皮膜は適度に柔らかく、かつ撥水性に極めて優れているため、ファンデーションや日焼け止め等を水や汗から守る目的で利用されます。また、配合量を増やすことによって皮膜の強さをコントロールすることが可能です。

化学的に安定な成分で、肌への刺激性や毒性も認められていないため、安心して使用可能な成分です。しかし、皮膜が厚くなると日焼け止めクリーム特有の「膜が張っている」感触が出てしまい、心地良い、とはいえない使用感となってしまいます。また、トリメチルシロキシケイ酸自体は有害ではないのですが、ノンシリコンが1つのトレンドになっており、製品の特色を出すために他の成分が配合されることがあります。

 類似した成分としてはポリメチルシルセスキオキサン、ポリオクタニウム-56等が挙げられます。前者はトリメチルシロキシケイ酸と同様にシリコーン樹脂に分類されますが、シロキサン等に溶かさず、そのままメイクアップ製品等に配合され、撥水性に加えて使用感の改善やソフトフォーカス効果を期待して用いられます。一方で後者は陽イオン界面活性剤に分類され、ノンシリコン処方の疎水性皮膜形成剤として用いられます。

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