バッチリメイク、いつの間に崩れたの?
大事な予定の前に張り切ってメイクをしたのに、ふと鏡を覗き込んだら崩れていて、慌てて直した、そんな経験は誰もがしていることでしょう。特に夏の暑い時期には付き物です。屋外をしばらく歩いていると、汗がファンデーションと混ざって崩れてしまいます。また、冬も油断はできません。暖房の効いた室内は快適ですが、特にパウダーファンデを使っていると、いつの間にか乾燥してひび割れてしまうことがあります。
最近、ピンポイントの化粧直し向けのアイテムが色々と開発されていますが、それでもお昼休みや商談の前などに都度直すのは大変です。できればメイクを直さずにそのまま1日過ごしたい(そしてできればいつものメイクを使い続けたい)と考える方も多いかと思いますが、そんな都合の良いアイテムはあるのでしょうか。
いつものメイクを崩さない!メイクキープスプレー
これまで、メイクを長持ちさせるためには「肌の状態を改善し、化粧のりを良くする」ことが基本でした。脂性肌であれば適度に皮脂を抑える(もしくは拭き取る)、乾燥肌であれば保湿効果の高い化粧水を使うといった方法です。また、肌質に合わせてリキッド、パウダー等、ファンデーションの種類を選ぶことも推奨されていましたが、中々自分にあった商品を選ぶのは大変でした。
そこで、より手軽な方法として、最近ではいつものメイクの上から吹き付けることによって、メイクを崩れにくくする、「メイクキープスプレー」と呼ばれる製品が注目されています。メイクキープスプレーはメイクの仕上げとして、あるいは少し化粧直しをした後にサッと吹きかけるだけで、汗や乾燥からメイクを守ります。それだけで1日持つような商品は少ないのですが、1日の始まりに、あるいは人に会う予定の前に使うことで、メイク崩れをしばらくの間防ぐことができます。
メイクキープスプレーの役割①保湿
では、メイクキープスプレーにはどのような役割があるのでしょうか。メイクキープスプレーに求められる最も重要な役割は保湿です。肌が乾燥するとファンデーションが肌に密着しにくくなるため、化粧崩れの原因となります。また、肌が乾燥すると水分を逃がさないために皮脂が過剰に分泌され、ファンデーションがにじむ原因となります。
そこで、メイクキープスプレーには肌に補うための水分とそれをキープするための保湿成分が配合されています。保湿機能を持った様々な成分が化粧品に使用されていますが、メイクキープスプレーにはグリセリンやコラーゲン、ヒアルロン酸等の水と馴染みやすく、肌表面の保水力を上げるような成分が配合されています。また、一部の製品では皮脂を補い乾燥を防ぐ、あるいはファンデーションとのなじみやすさを向上させる目的でオリーブ油、ホホバ種子油等の天然由来の油性成分を配合している製品も存在します。
メイクキープスプレーの役割②ファンデーションのにじみを防ぐ
メイクを長持ちさせるためには肌の保湿が重要な一方で、汗などでにじませないこともまた重要です。そこで、メイクキープスプレーにはメイクを汗から守る、撥水性の皮膜を作る為の成分が含まれています。撥水性の皮膜を作る成分としてはジェルネイル等でお馴染みのニトロセルロース等も有名ですが、顔に塗ることを考えた場合、疎水性の他にファンデーションと干渉しない(ファンデーションを溶かしたり、色味を変えてしまったりしない)、皮膜が柔らかい(顔の表情で崩れない)、つけ心地の軽さ、といった条件も欠かせません。
そこで、メイクキープスプレーにはトリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン等に代表されるシリコーン樹脂が配合されています。シリコーン樹脂は一般的に常温では無色透明の液体で、肌につけると撥水性に優れた皮膜を形成します。この皮膜は無色透明でかつ柔らかく、また、皮脂やファンデーションの油分とも馴染みにくいため化粧を崩してしまう心配もありません。使い心地もべたつきが少なくさらさらとしており、夏の暑い時期でも安心して使用できます。
また、最近ではシリコンフリー処方の流行により、ポリオクタニウム-56に代表されるカチオン界面活性剤も用いられるようになりました。こちらもシリコーン樹脂には性能の面でやや及ばないものの、肌表面に撥水性に優れ、油分とも馴染みにくい皮膜を形成することにより、メイク崩れを防ぎます。
メイクキープスプレー、どうやって選べばいいの?
大きく分けて「保湿」「撥水」の2つの役割を担っているメイクキープスプレーですが、どのような点に着目して選べば良いのでしょうか。実のところ、撥水効果を担っている成分に関してはシリコーン樹脂系であっても、カチオン界面活性剤であっても肌への安全性に大差はありません。また、製品の性格上手軽に使うことができるため、キープ時間に関してもシリコーン樹脂系の方が若干優れてはいるものの、「長持ちしてくれれば嬉しい」位の考え方で構わないと思います。
一方、保湿成分に関してはより重要視すべきでしょう。空気が乾燥する冬は当然ですが、高温多湿の日本の夏でもエアコンの効いた室内は冬の外気並みに乾燥することがあり、活発な皮脂の分泌と合わせてメイク崩れの原因となります。保湿成分を多く含んだミストを使って肌に水分を留め置くことで、メイク崩れをより根本的に防ぐことができます。
メイクキープスプレーは比較的新しい製品です。以前の製品はメイク直しの際に水分を補う程度のものが中心でしたが、各社がより良いものを求め、試行錯誤を繰り返した結果、よりメイクを長持ちさせる効果を期待できるようになりました。「今のメイクに」「吹きかけるだけ」で手軽に使えるので、あれこれ試してみて、自分に合ったものを選んでみてはいかがでしょうか。
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