ジラウロイルグルタミン酸リシンNa

成分

使用の目的:毛髪の補修、保湿、バリア機能の改善

類似した成分:セラミド

 ジラウロイルグルタミン酸リシンNaとはヘアケア製品を中心に利用されている成分で、化学式C40H69N4Na3O10で表されるジェミニ型陰イオン界面活性剤の一種です。ペリセアの名前で広く知られており、常温では淡黄色の液体で、水にも油にも馴染みやすい性質を持っています。工業的には植物由来成分であるN-ラウロイル-L-グルタミン酸とL-リジンから合成することが可能です。

 特筆すべき性質としては優れた毛髪の補修効果が挙げられます。ペリセアは構造中に毛髪と馴染みやすいペプチド骨格及び脂肪酸を持っており、髪につけるとダメージによって失われた毛髪中の脂肪酸を補い、キューティクルを整える効果があります。また、肌への浸透性にも優れており、肌につけるとダメージを受けた角質の構造を補い、肌に元々備わっているバリア機能を修復する効果があります。

 天然のアミノ酸、脂肪酸に由来する成分で、皮膚や髪とも構造が類似しているため、安心、安全に利用可能です。また、水に溶けやすく肌や髪への浸透性にも優れているため、他の成分と比較して使い勝手に大変優れています。しかし、比較的高価な成分で配合量が限られており、製品によっては十分な効果を実感できないことがあること、また、ヘアカラー前に使用すると退色が早くなってしまうことには若干の注意が必要です。

 類似した成分としてはセラミドが挙げられます。セラミドはペリセアと同様に高い保湿能やバリア機能の改善作用を持っており、ヘアケアやスキンケア製品を中心に利用されていますが、ペリセアと比較して肌への浸透性や水への溶けやすさで劣る一方、植物や牛乳など様々な原料から製造可能なため、より手頃に利用することができます。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされていますが、セラミドの方がより一般的に用いられています。

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