タピオカデンプン

成分

使用の目的:増粘、保水

類似した成分:コーンスターチ

 タピオカデンプンとは一部のメークアップ製品に利用されている成分で、デンプンの一種です。常温では白色の粉末状の物質で、油や冷水に溶けにくく、熱水に溶けやすい性質を持っています。工業的にはトウダイグサ科の植物キャッサバの根茎を洗浄、剥皮した後、洗浄、精製などの幾つかのプロセスを経て得ることができます。

 特筆すべき性質としては粘度の高さが挙げられます。タピオカデンプンを水に溶かして加熱すると糊化と呼ばれるプロセスが起こり、α-デンプンと呼ばれる粘性の高い状態へと変化します。この性質を活かし、タピオカデンプンは化粧品にとろみをつけたり、プレストパウダーや入浴剤の飛散を防止したりする目的で用いられます。また、タピオカデンプンは保水性に優れているため、化粧品の水分蒸発を防ぐ目的で用いられることもあります。

 食品としてもお馴染みの成分で、化学的に安定かつ肌への刺激性もないため安心、安全に利用可能です。また、アレルギーのリスクに関しても、タピオカに含まれるタンパク質は比較的反応を起こしにくく、かつ精製の過程でほぼ完全に取り除かれるためごく低いものになります。しかし、増粘剤としてはとろみがかなり強く、低温になると固まってしまう性質があります。

 類似した成分としてはコーンスターチが挙げられます。コーンスターチはタピオカデンプンと植物由来のデンプンで、同様に化粧品の増粘剤として用いられますが、よりとろみが少なく固まりにくいのが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされていますが、コーンスターチの方がより好んで用いられます。

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