ペクチン

成分

使用の目的:増粘

類似した成分:キサンタンガム

 ペクチンとは一部のスキンケア化粧品に利用されている成分で、化学式C6H10O7で表されるd-ガラクツロン酸が多数結合した植物性高分子の一種です。常温では白色の粉末状の物質で、水に溶けやすく、有機溶媒に溶けにくい性質を持っています。植物の細胞壁に多く含まれる成分で、化粧品にはリンゴや柑橘類由来のものが主に利用されています。

 特筆すべき性質としては適度な増粘作用が挙げられます。水に溶けたペクチンは酸性もしくは金属イオンが存在する条件でジェルとして固まる性質があります。このジェルはジャムなどでもお馴染みのもので、程よく柔らかく、温めると流動性が高くなることが特徴です。また、ペクチンには優れた保水作用もあるため、その目的で利用されることもあります。

 天然の植物由来で食品としてもお馴染みの成分で、安心、安全に利用可能です。また、ペクチンには乳化作用があり、他の成分と合わせて利用することによって製品中の油分を安定化させる効果もあります。しかし、増粘剤としては粘度が低く、また、特定の条件を外れると固まらないため化粧品への利用は限定的です。

 類似した成分としてはキサンタンガムが挙げられます。キサンタンガムはペクチンと同様に植物性高分子の一種で、同様に化粧品の増粘剤として用いられますが、ペクチンと比較して弾力性が高いことが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされていますが、機能性の観点から優れたキサンタンガムの方がより広く用いられています。

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