リノレン酸

乾燥

使用の目的:保湿効果

類似した成分:アマニ油

 リノレン酸とは一部の口紅や保湿クリーム、ファンデーション等に含まれている成分で、化学式C18H30O2で表される高級脂肪酸の一種です。リノレン酸には複数の異性体が存在しますが、単にリノレン酸と表記した場合、それはα-リノレン酸を指します。常温では無色透明の液体で、水と馴染みにくく油と馴染みやすい性質を持っています。人の体内では合成することができないいわゆる必須脂肪酸の一種で、アマニ油やエゴマ油に豊富に含まれています。

 特筆すべき性質としては肌との馴染みやすさ、及びそれを活かした保湿効果が挙げられます。リノレン酸は肌表面に存在するリノール酸などの脂肪酸と構造が近いため、互いによく混ざり合います。そのため、肌に塗ると皮脂と同じように肌に違和感なく密着し、皮脂の不足を補います。また、密着したリノレン酸は水に馴染みにくいため、肌表面からの水分蒸発を防ぎます。

 天然由来で安心して使用できる成分ですが、構造中に二重結合を3個持っているため単体ではやや酸化されやすく、肌への刺激の原因となることがあります。(通常は植物油の成分の1つとして配合され、植物油に含まれるトコフェロール等が酸化防止剤として働くため、過剰に心配する必要はありません)また、リノレン酸を豊富に含む植物油が限られているため、他の油脂に比べて積極的に取り入れられない傾向にあります。

 類似した成分としてはアマニ油が挙げられます。アマニ油は植物油の一種で、リノレン酸を50%程度含んでおり、リノレン酸と同様の目的で利用されます。かつては酸化されやすいため化粧品、食品として利用される機会は限られていましたが、近年、経口摂取でコレステロール値低下や血栓予防などの効果があることが判り、食品として注目されています。

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