使用目的:ファンデーション等の使用感の向上、パール光沢の付与
類似した物質:カオリン、シリカ
一緒に使われる物質:酸化チタン、タルク、マイカ、シリカ
マイカとは主にファンデーション等のメークアップを目的とした化粧品に含まれている成分で、組成式KAl2AlSi3O10(OH)2で示される灰白色、粉末状の無機化合物です。鉱石としての名称は絹雲母で、医薬部外品の名称としてセリサイトと呼ばれることもあります。また、同じ組成でより結晶の大きなものはマスコバイトと呼ばれますが、こちらはより工業的な分野で使用されています。
マイカの特筆すべき性質としてはその素材の持つ柔らかさが挙げられます。同様の目的で使用されるタルクには及ばないものの、化粧品を塗った時の滑らかさをより向上させる働きをマイカは持っており、また、タルクと異なり原料それ自体は肌に塗るとほぼ透明になるため、酸化チタンや酸化鉄の色味をそのまま活かすことが可能になります。また、マイカは酸化チタンと組み合わせて使用することによってパール光沢を生み出すことが知られており、ファンデーションにキラキラとした質感を出すためにも使用されています。化学的に安定で刺激性も認められていないため安全に使用することが可能で、また、取り扱いも容易なため、着色されたものが手作り化粧品の原料としても販売されています。
近年、天然由来のマイカについて使用を自主規制する動きが発生しています。成分としては問題がないのですが、化粧品向けの天然マイカの原産国であるインドで、子供を低賃金で採掘に従事させている事例が確認されており、SDGsの観点から原料を合成由来のものに置き換える取り組みが進んでいます。
類似した性質を持った成分としてはカオリンやシリカが挙げられます。どちらもファンデーション等の使用感を向上させるために使用されますが、ファンデーションにカオリンを配合すると酸化チタンの持つ白さをより強くする作用があり、また、シリカを配合するとソフトフォーカス効果により、肌をよりきめ細かく見せる作用があります。肌の見せ方についてそれぞれの原料で異なった効果を持っているため、どれか1つだけを配合するのではなく、組み合わせて使用されています。
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