使用目的：シリコーンオイルの乳化剤（油性化粧品向け）
類似した成分：PEG-10ジメチコン
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンとはメークアップ化粧品、スキンケア化粧品に使用されている成分で、構造内に分岐シロキサン構造を持つシリコーンオイルの一種です。工業的製法としては分岐シロキサン構造を持つジメチコンのメチル基を約9mol程度酸化エチレンに置換、重合することによって得られます。
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンはより一般的に用いられているジメチコンの置換体PEG-10ジメチコン等と同様にシリコーンオイルの乳化剤として作用します。ジメチコン等に代表されるシリコーンオイルはさらさらとした感触が好まれ、また、撥水性等にも優れているためあらゆる化粧品に使用されていますが、そのままでは水にも油にも馴染まないため、乳化剤が必要になります。
代表的なシリコーンオイルに適した乳化剤であるPEG-10ジメチコンは水性、油性いずれの化粧品にも使用可能ですが、直鎖状のジメチコン置換体の特徴として、水分が存在すると増粘作用を発揮することが挙げられ、べたついた使用感となります。 PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンをPEG-10ジメチコン等の代わりに用いることにより、製品によりさっぱりとした使用感を与えることが可能です。
他のジメチコン置換体と同様に乳化剤として長年の実績があり、肌に対する刺激性等も確認されていないため、安心して使用することが可能ですが、PEG-10ジメチコンが水性、油性いずれの化粧品にも使用可能なのに対して、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンはW/O型エマルジョンのみを形成するため、水性の化粧品への使用は不向きです。したがってこの成分は油性の化粧品の使用感を向上させるためにのみ用いられます。
本成分は単独で用いられる他に、複合W/O乳化剤としてKGO-225の名称で用いられることがあります。KGO-225にはシクロペンタシロキサンやジメチコン、ジメチコンのクロスポリマー等が配合されており、混合させて使用することによって使用感や乳化剤としての安定性を向上させています。
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