PEG-10ジメチコン

使用目的：シリコーンオイルの乳化剤

類似した成分：PEG-12ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン

PEG-10ジメチコンとはファンデーションや化粧下地、コンシーラー、日焼け止め等のメークアップ化粧品に主に使用されている成分で、シリコーンオイルの一種です。ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体と呼ばれることもあります。工業的製法としてはシリコーンオイルの一種であるジメチコンのメチル基を10mol程度酸化エチレンに置換、重合させることによって得られます。PEG-10ジメチコンは単一の成分を指し示す名称ではなく幾つかのバリエーションが存在し、使用用途に応じて使い分けられています。

　特筆すべき作用としてはシリコーンオイルの乳化剤としての作用が挙げられます。ジメチコンに代表されるシリコーンオイルはさらさらとした感触が好まれ、また、撥水性等にも優れているためあらゆる化粧品に使用されていますが、そのままでは水にも油にも溶けないため、一定量以上を製品に溶かし込むためには乳化剤が必要になります。シリコーンオイルに乳化作用を発揮する成分は限定されますが、PEG-10ジメチコンは親水基及び親油基（シリコーンオイルと共通の構造）を持ち合わせることによって良好な乳化作用を発揮し、また、化学構造を調整することによって、水性、油性どちらの化粧品でも使用することが可能です。

　乳化剤として長年の実績があり、肌に対する刺激性等も確認されていないため、安心して使用することが可能です。したがって、ヘアケア等の洗い流す化粧品だけではなくスキンケアやメークアップ、口腔ケア用品などあらゆる分野で用いられてきました。しかし、ジメチコンをはじめとするシリコーンオイルのコーティング力の強さ、成分の落ちにくさが時に好まれないことががるため、フリー処方の製品も開発されています。

　同様の効果を持った成分としてはPEG-12ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が挙げられ、用途に応じて使い分けがされていますが、PEG-10ジメチコンが最も広く使用されています。