使用目的:マニキュアのリムーバー、溶媒
類似した成分:酢酸エチル
アセトンとは除光液やフレグランス製品に使用される成分で、化学式C3H6Oで表されるケトンの一種です。常温では無色透明の液体で、特有の匂いを持ち、水、エタノール、油いずれともよく馴染みます。工業的には石油由来の2-プロパノールを酸化することによって得られます。
特筆すべき性質としてはその優れた溶剤としての機能が挙げられます。アセトンは様々な成分を溶かしますが、とりわけ油脂類を溶かす性質が化粧品に使用可能な成分としては優れており、マニキュアのリムーバーとしてよく用いられます。また、特有の匂いを他のアルデヒド、ケトンと併用する形で、香料として取り入れている製品も存在します。
油脂を取り除く、溶かすことには優れているアセトンですが、高濃度のものを皮膚に直接塗った場合、皮脂及び水分を大量に奪ってしまいます。その為、使用の際は爪のみに丁寧に塗る、使用後はクリーム等で失われた水分及び油分を補う等の工夫が必要となります。一方、その臭いや使用感に反して肌への刺激は少なく、また、通常に使用する分には発がん性等のリスクもないため、安心して利用できます。
類似した成分としては酢酸エチルが挙げられます。酢酸エチルはアセトンと同様に油脂をよく溶かすため、アセトンフリー処方のリムーバーの成分として使用されていますが、作用が幾分穏やかなため、水分や油分を比較的奪いません。しかし、マニキュアを除去する効果はアセトンに及ばず、刺激臭がより強いため、アセトンの方が成分として好まれます。
コメント