使用の目的：赤紫色顔料
類似した成分：紫根エキス
アントシアニンとは一部のメイクアップ化粧品に利用されている成分で、植物の赤～紫の色味を生み出しているフラボノイドに分類される色素の一種です。赤キャベツ色素の主成分としても知られており、常温では赤紫色の粉末状の成分で、水に溶けやすいことが特徴です。工業的にはシソや赤キャベツから有効成分を水などを用いて抽出することによって得られます。
特筆すべき性質としてはユニークな顔料としての性質が挙げられます。アントシアニンはその成分の種類に応じて赤～紫色の色味を生み出します。そのため、化粧品を赤～紫に着色する目的で用いられます。また、アントシアニンにはポリフェノールに共通の抗酸化作用も期待することができ、肌につけると肌のシワやくすみを予防する効果が期待できます。
天然由来で健康食品などでもお馴染みの成分のため、安心、安全に利用可能です。また、タール色素などと比較してより低刺激な成分として知られており、肌が弱い方でも安心して利用可能です。しかし、アントシアニンは紫外線によって退色しやすく、酸化防止剤でも抑制が難しいため、実際に利用されるケースはあまり多くありません。
類似した成分としては紫根エキスが挙げられます。紫根エキスはアントシアニンと同様に天然由来の紫色成分として化粧品に用いられていますが、抗酸化作用に加えて抗菌、抗老化などより幅広い効果を期待できます。そのため、アントシアニンと比較してより多くの製品に利用されています。