トウガラシ果実エキス

成分

使用の目的:血行促進、温感作用、赤色顔料

類似した成分:ウコン根茎エキス、パプリカ色素

 トウガラシ果実エキスとは一部のメイクアップ製品、入浴剤などに使用されている成分で、辛味成分であるカプサイシン、赤色色素の一種であるカプサンチンを主成分としています。トウガラシチンキと呼ばれることもあり、工業的にはトウガラシの果実からエタノールを用いて有効成分を抽出することによって得られます。

 特筆すべき性質としては優れた血行促進作用が挙げられます。トウガラシ果実エキスが含まれた化粧品を肌につけると主成分のカプサイシンが皮膚のTRPチャネルに作用し、温感と局所刺激をもたらすことによって周辺の毛細血管が拡張し、血行が促進されます。また、カプサイシンの含有量が少ない品種から抽出したものはその特徴的な赤色を活かし、口紅やアイシャドウなどの色素として利用されています。

 天然由来で化粧品に用いられる濃度では肌への毒性もないため、安心、安全に利用可能な成分です。また、トウガラシ果実エキスを肌につけると痛みを感じることがありますが、一時的なものであり、肌荒れなどの悪影響をもたらすものではありません。しかし、カプサイシンによる刺激感の強さは好みが分かれ、一部の作用(育毛)等については効果が十分に実証されていません。

 類似した成分としてはショウガ根茎エキスが挙げられます。ショウガ根茎エキスはトウガラシ果実エキスと同様に血行促進作用がある成分として知られており、入浴剤などに用いられていますが、エラスチンの分解阻害による抗老化作用など、トウガラシ果実エキスと比較してよりスキンケアに特化した効果を持っています。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。

タイトルとURLをコピーしました