コーンスターチ

成分

使用の目的:使用感の向上、増粘剤、スクラブ剤

類似した成分:タルク、ポリエチレン

 コーンスターチとはパウダー関連の化粧品を中心に使用されている成分で、デンプンの一種です。常温では白色の粉状で、油や冷水に溶けにくく、熱水に溶けやすい性質を持っています。工業的にはトウモロコシの一種であるデントコーンを亜硫酸水に浸漬した後に不純物やタンパク質を分離し、精製することによって得られます。原料に因んでトウモロコシデンプンと呼ばれることもあります。

 特筆すべき性質としては粘度の高さが挙げられます。コーンスターチを水に溶かして加熱すると糊化と呼ばれるプロセスが起こり、α-デンプンと呼ばれる粘性の高い状態へと変化します。この性質を活かし、コーンスターチは化粧品にとろみをつけたり、スクラブ剤として洗顔料などに配合し、皮脂を取り除いたりする目的で使用されます。また、コーンスターチは粉の状態ではさらさらとした感触であるため、ベビーパウダーやフェイスパウダーの使用感を向上させるためにも用いられます。

 食品添加物としてもお馴染みの成分で、化学的に安定かつ肌への刺激性もないため安心、安全に利用可能です。また、精製の過程でタンパク質をほぼ完全に取り除く為、アレルギーの心配もありません。生分解性であるため環境負荷の面でも優れていますが、原料となるデントコーンに遺伝子組み換え作物が使われているケースがあり、生産地周辺の環境負荷が高まっている可能性があります。

 類似した成分としてはタルク及びポリエチレンが挙げられます。前者はベビーパウダーやフェイスパウダーの主成分として、後者はスクラブ剤のマイクロビーズの主成分として用いられてきましたが、前者は特定の使い方をした場合の発がん性、後者は排水中から河川に流出した際の生態系への影響が問題となり、より身体に優しく環境負荷も少ないコーンスターチへと置き換えられています。

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