使用の目的：噴射剤
類似した成分：ジメチルエーテル
窒素とは一部のミスト化粧水等に含まれている成分で、化学式N2で表されます。常温では無色無臭の気体で、水にも油にもほとんど溶けません。空気中に約78％存在し、工業的には空気を冷却し、分留することで大量に得ることができます。
特筆すべき性質としてはいわゆる「不活性ガス」であることが挙げられます。窒素は常温では極めて安定性が高い気体で、他の物質とはほぼ反応しません。また、加圧して容器に封入した状態で噴射すると膨張し、圧力を発生させます。そのため、ミスト系製品の噴射剤として利用されています。空気中に存在する成分としては他に酸素や二酸化炭素、アルゴンが存在しますが、窒素ガスは可燃性の酸素や水に溶けやすい二酸化炭素より扱いやすく、分離が難しいアルゴンよりも安価です。
空気中や体内にも豊富に存在する成分で、肌への刺激性や毒性もなく安心、安全に利用可能です。また、他の化粧品成分と反応する心配もありません。空気を冷却し、分留するだけで製造可能なためコスト面でも極めて優れています。しかし、肌につけても一切の効果がなく、また、気体のため容器にある程度の体積が必要になります。
類似した成分としてはジメチルエーテルが挙げられます。ジメチルエーテルは窒素と同様に不活性な気体であるため化粧品の噴射剤として好んで用いられますが、加圧すると液化し、また、水やエタノールにも溶けやすいため可搬性に優れています。しかし、ジメチルエーテル特有の臭いはあまり好ましいものではないため、製品の性格に合わせて窒素やLPGとの使い分けがされています。
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