使用の目的:酸化防止剤、紫外線吸収剤
類似した成分:フェルラ酸、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
オリザノールとは化粧水やファンデーション等に含まれている成分で、ケイヒ酸誘導体の一種であるフェルラ酸とトリテルペンアルコールのエステルの混合物です。医薬部外品としてはγ-オリザノールと呼ばれ、常温では淡黄色の結晶状の物質です。工業的には米ぬか油から選択的に抽出、精製することによって得られます。
特筆すべき性質としてはその優れた紫外線吸収剤としての作用が挙げられます。オリザノールは紫外線の中でも比較的短波長のUV-Bを吸収する作用があるため、日焼けや肌への炎症を防ぎますが、代表的な吸収剤であるメトキシケイヒ酸エチルヘキシルと比較してUV-Aの吸収能力にも優れており、シミやシワの発生を抑制する効果も期待できます(オリザノールには抗酸化作用もあるため、複合的な効果が期待できます)。また、化粧品以外では医薬品にも用いられ、コレステロールの吸収抑制や不定愁訴の改善の効果が確認されています。
安全性の高い米ぬか油由来の成分であり、安全、安心に使用することが可能です。また、化粧品目的としても研究が進められており、抗炎症作用や皮脂腺賦活の効果も確認されています。しかし、抽出元の原料である米ぬか油自体のコストがやや高いことが課題です。
類似した成分としてはメトキシケイヒ酸エチルヘキシルが挙げられます。メトキシケイヒ酸エチルヘキシルはオリザノールと同様にUV-Bに吸収領域を持つ紫外線吸収剤ですが、オリザノールより安価なため日焼け止めの成分としてはより一般的です。また、オリザノールの原料であるフェルラ酸も同様のUV-B吸収作用や抗酸化作用を持っており、徐々に注目されるようになっています。
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