使用目的:抗菌作用
類似した成分:1,2-ヘキサンジオール
カプリルグリコールとは化粧品に幅広く含まれている成分で、化学式C8H18O2で表されるグリコールの一種で、構造に倣って1.2-オクタンジオールと呼ばれることもあります。常温では無色もしくは白色の固体(少し温度を上げた状態では液体)、水性成分よりも油性成分と馴染みやすく、エタノール等によく溶けます。工業的にはエチレングリコールを原料として合成されます。
特筆すべき性質としては抗菌効果の高さが挙げられます。カプリルグリコールは他のグリコール類と比較しても抗菌作用に優れており、その効果は防腐剤であるパラベンやフェノキシエタノールに匹敵し、併用するとそれらの使用量を大きく減らすことが可能です。
低濃度で抗菌作用を発揮し、肌への刺激性も少ないため安心、安全に利用できる成分です。その高い抗菌作用を活かして防腐剤と併用するだけではく、防腐剤フリーの製品向けに使用されることがあります。また、とろみ等もないため化粧品に配合しても元の使用感を変化させません。しかし、他のグリコール類と比較して構造上の炭素鎖の部分が長いため、保湿剤としては効果を期待できません。また、クリーム等の油性製品との相性は良いのですが、水に溶けにくいため、化粧水や美容液等に使用する場合は可溶化剤が必要となります。
類似した成分としては1,2-ヘキサンジオールが挙げられます。1,2-ヘキサンジオールはカプリルグリコールと同様に抗菌作用目的で使用されますが、炭素鎖が短いため比較的水に溶けやすい性質を持っており、油性成分や植物エキスを溶かし込むための溶媒としても使用されます。
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