エラスチン

成分

使用目的:保湿成分、使用感の向上、肌のハリの維持

類似した成分:コラーゲン、ヒアルロン酸

エラスチンとは化粧水や美容液を中心に使用されている成分で、コラーゲンと共にヒトの肌を形成するタンパク質の一種です。コラーゲンが主成分である肌の組織が膠原線維と呼ばれるのに対し、エラスチンが主成分である組織を弾性繊維と呼ぶことがあります。常温では白色の粉末で、そのままの状態では水にも油にも溶けませんが、化学処理することによって水溶性にしたものが化粧品に用いられています。また、工業的な製法は存在せず、牛や魚のタンパク質から抽出したものが用いられています。

 皮膚に含まれているエラスチンは肌のハリを維持するために重要な組織で、加齢によって減少するためサプリメントや化粧品の形で補うことが模索されてきましたが、分子量が大きく肌に浸透しないため、化粧品によって補うことは現状では難しい状況です。水溶性のエラスチンを化粧品に配合した場合の効果としては保湿作用が挙げられます。エラスチンは構造内に水を含みやすいため、肌に塗ると表面からの水分蒸発を防ぐ効果があります。また、この効果はコラーゲンと併用することによって高まります。また、保水力に優れているため、化粧品の使用感を向上させる目的でも用いられています。

 元々ヒトの体内で合成される成分でもあるため、安心、安全に使用可能な成分です。しかし、工業的な合成方法が確立されていないこと、また、化学処理を行わない場合は水も油にも溶けず、性質の解明が進められていなかった等の事情があり、製品に広く取り入れる上では課題を抱えています。

エラスチンと類似した成分として、コラーゲンの他にはヒアルロン酸が挙げられます。ヒアルロン酸はエラスチンと同様に優れた保湿作用を持ちますが、そのままで水に溶けやすく、工業的抽出がより容易なため多くの製品に用いられています。

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