カキタンニン

成分

使用の目的:体臭の抑制

類似した成分:チャ葉エキス

 カキタンニンとは一部のデオドラント、ボディーソープ等に使用されている成分で、ポリフェノールの一種であるタンニンが30分子程度縮合した高分子化合物の一種です。カキタンニンは果物の柿に含まれるいわゆる柿渋のことを指し、常温ではオレンジ色の粉末で、水に溶けやすく油に溶けにくい性質を持っています。工業的にも柿から抽出したものが利用されています。

 特筆すべき性質としては優れた消臭効果が挙げられます。カキタンニンには構造中のフェニル基のσ結合に由来する連鎖的な酸化反応を防ぐための性質が備わっています。その結果、肌に塗ると肌表面での皮脂の酸化を防ぎ、加齢臭の原因となる2-ノネナールの生成を妨げます。また、抗菌作用も強いため、肌の雑菌の繁殖を防ぐ働きがあります。その上、カキタンニンは発生した悪臭の原因となる物質とも反応し、臭いが発生しない成分へと変える働きも持っています。

  天然由来で肌への刺激もなく、食品としても長年親しまれてきた成分であるため、安心、安全に利用することができます。しかし、消臭や肌への収斂効果に特化していること、他の成分とやや反応しやすいこと、また、原料がオレンジ色で製品自体の色味に影響してしまうことから、化粧品成分として利用される機会はやや限られています。

 類似した成分としてはチャ葉エキスが挙げられます。チャ葉エキスはカキタンニンと同様の効果を示すカテキンを多く含んでおり、優れた抗酸化作用や抗菌作用を示しますが、ビタミン等の化粧品に向いた成分を含み、匂いも好ましいものであるため、カキタンニンより一般的に用いられています。

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