使用目的:シャンプー等の洗浄成分、抗酸化作用
類似した成分:パーム油
ヤシ油はメークアップ、ヘアケア化粧品等の原料として用いられている成分で、脂肪酸を主成分としています。ココナッツオイルと呼ばれることもあります。常温では白色の固体ですが、温めるとまずクリーム状になり、その後、比較的容易に液体になります。ヤシ油は熱帯地方を原産地とするココヤシの種を搾り取ることによって得られます。
ヤシ油に最も含まれる成分は石油系界面活性剤の原料として知られるラウリン酸ですが、その他にも飽和脂肪酸であるミリスチン酸やパルミチン酸等を多く含んでいます。ヤシ油を原料として石鹸を作る場合、直接水酸化ナトリウム等と反応させ、ヤシ脂肪酸として用います。また、メークアップ化粧品の使用感を良くする、含まれているラウリン酸による抗菌作用、ビタミンEによる抗酸化作用を期待するといった目的ではそのまま配合されます。
ヤシ油は天然由来で食品にも広く利用されており、若干肌への刺激があるものの安心、安全に使用できる成分です。また、同じく天然油を産生するアブラヤシと比較した場合、自生する木から採取するため、環境負荷が少ないといったメリットもあります。しかし、生産量がアブラヤシ等と比較すると限られていること、また、ヤシ油でスキンケアを行った場合、毛穴詰まりの原因となることから、日々のスキンケアで大量に使用する用途にはやや不向きです。
類似した成分としてはパーム油(パーム核油)が挙げられます。パーム核油とヤシ油は共にラウリン酸を主成分としており、他の脂肪酸の組成も類似しています。ヤシ油がそのまま肌に塗って、もしくは石鹸として利用する使い方が多いのに対して、パーム核油は原料を合成するための原料として主に用いられます。
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