水素化マグネシウム

成分

使用の目的:酸化防止剤

類似した成分:「水素水」

 水素化マグネシウムとは一部のスキンケア化粧品に含まれている成分で、化学式MgH2で表される金属水素化物の一種です。常温では白色もしくは灰白色の粉末状の成分で、水を加えると容易に加水分解します。工業的には金属マグネシウムを高温で高圧の水素と反応させることによって得られます。

 特筆すべき性質としては「水素を発生させる唯一の化粧品成分」であることが挙げられます。水素は常温では気体であり、化粧品には通常、水に溶かした状態(いわゆる「水素水」)として用いますが、水素は水に僅かしか溶けません。また、気体として封入すると引火性が高いため、取り扱いに細心の注意が必要です。しかし、水素化マグネシウムは水と反応することによって直接水素を発生させるため、手軽に高濃度の水素を得ることができます。水素には強い還元作用があるため、高濃度の水素には酸化防止剤としての高い効果を期待することができます。

 化粧品だけではなく燃料電池車の水素供給源としても期待されている注目度の高い成分ですが、水素の高い還元作用自体は証明されているものの、「化粧品として使った場合の効果」が十分に検証されておらず、まだ実験的な要素が強く残ります。また、水素化マグネシウムは基本的な安定性こそ高いものの、水が存在するとすぐに分解してしまうため、取り扱いがやや難しく、現状では一部製品への使用にとどまっています。

 類似した成分としては「水素水」が挙げられます。水素水は精製水に水素を溶解させたもので、水素の酸化防止効果を期待して製造、利用されてきました。しかし、水素がそもそも水に溶けにくいこと、また、「水素水」についての規格が存在しないことから効果についての疑問が提起され、近年では水素化マグネシウムの方が注目されるようになっています。

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