使用の目的:シミ、ソバカスの予防(美白)、保湿
類似した成分:グルタチオン
マドンナリリー根エキスとは様々な化粧品に利用されている成分で、グルコマンナンなどの多糖類やサポニン等のテルペノイド、フラボン類などを含んでいます。ユリエキスと呼ばれることもあり、常温では無色もしくは淡黄色の液体で、水に馴染みやすく、油に馴染みにくい性質を持っています。工業的にはユリ科の植物ニワシロユリの球根から水やエタノール、1,3-ブチレングリコールなどを利用して有効成分を抽出することによって得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた美白効果が挙げられます。マドンナリリー根エキスが配合された化粧品を肌につけると皮膚に存在するグルタチオンレダクターゼと呼ばれる酵素が活性化され、活性酸素の除去やメラニン色素合成の阻害に効果を発揮するグルタチオンを再活性化し、間接的にシミやソバカスの発生を予防します。また、多糖類を多く含んでいるため、肌の保湿についても効果が期待できます。
天然由来でかつては民間療法にも利用されていた成分で、肌への刺激性や毒性も少なく、安心、安全に利用可能です。また、近年では肌の真皮層にも作用し、シミやソバカスの発生を防ぐ効果がある、といった研究結果が発表されています。しかし、その美白効果については控えめな記述が多く、成分自体に十分な効果が期待できない、もしくは単に保湿成分と紹介している文献も存在します。
類似した成分としてはグルタチオンが挙げられます。グルタチオンはマドンナリリー根エキスによって再活性化される成分そのもので、一部のスキンケア製品などにより高い美白効果を期待して配合されています。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分けがされていますが、より使用感に優れたマドンナリリー根エキスの方が多くの製品に利用されています。