使用の目的:保湿、ヘアコンディショニング
類似した成分:グリシン、ラウリルベタイン
ベタインとは化粧品に幅広く利用されている成分で、化学式C5H11NO2で表されるアミノ酸の一種です。トリメチルグリシンと呼ばれることもあり、常温では白色もしくは薄黄色の粉末状の物質で、水やアセトンに溶けやすく、油に馴染みにくい性質を持っています。天然に広く存在する物質で、工業的には砂糖の副産物である糖蜜から製造したものなどが利用されています。
特筆すべき性質としては優れた保湿効果が挙げられます。ベタインは他のアミノ酸と同様に水と馴染みやすいアミノ基、カルボキシル基と呼ばれる構造を持っており、また、空気中の水分をよく吸収するため、肌につけると水分の蒸発を防ぐ作用を発揮します。また、毛髪への浸透性や帯電を防止する作用に優れているため、シャンプーやコンディショナーに配合し、髪の艶や滑らかさを向上させる目的でも配合されています。
天然由来で肌への刺激性や毒性もないため、安心して利用可能な成分です。また、低刺激の洗浄成分として知られるコカミドプロピルベタインやラウラミドプロピルベタインを合成するための原料としても利用されます。しかし、ベタインもしくは派生した洗浄成分のみが含まれたシャンプーは洗浄力が弱いため使いにくく、また、保湿作用については他により優れた効果を発揮する成分も存在します。
類似した成分としてはグリシンが挙げられます。グリシンはベタインと同様にアミノ酸の一種で、保湿やヘアコンディショニング目的で用いられますが、その特徴を活かしてpH調整や抗菌剤として用いられることもあります。また、グリシン系の界面活性剤はベタイン系と比較して洗浄力が強めです。
