使用の目的:起泡助剤、増粘剤
類似した成分:コカミドDEA、ポリクオタニウム-10、ベタイン
コカミドプロピルベタインとはシャンプーやボディソープなどを中心に使用されている成分で、化学式C19H38N2O3で表される両面界面活性剤の一種です。ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインと呼ばれることもあり、常温では淡黄色の液体で、水にも油にも比較的馴染みやすい性質を持っています。工業的にはココナッツオイルと甜菜由来のベタインを原料として合成されます。
特筆すべき性質としてはシャンプーやボディソープの泡立ちを良くする作用が挙げられます。コカミドプロピルベタインは分子内に陽イオン界面活性剤として作用するアミド基と陰イオン界面活性剤として作用するカルボキシル基の両方を持っており、幅広いpHの範囲で安定した気泡力を示し、また、製品の粘度を上げて使用感を向上させます。そのため、陰イオン界面活性剤と併用する形で様々な製品に利用されています。
天然由来で石油系の陰イオン界面活性剤の刺激性を抑える効果もあり、比較的安心、安全に利用することができます。また、コカミドプロピルベタインを配合することによって、水の硬度による泡立ちの低下を防止する効果も期待できます。しかし、高濃度では若干の刺激性があること、また、刺激性の強い洗浄成分であるラウレス硫酸ナトリウムなどとしばしば併用されることから、使用されている製品全てが低刺激、とは言えない場合があります。
類似した成分としてはコカミドDEAが挙げられます。コカミドDEAはコカミドプロピルベタインと同様に界面活性剤の一種でシャンプーやボディソープの泡立ちを良くするために利用されますが、非イオン界面活性剤であり、より刺激性が低いことが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされています。
