使用の目的:バリア機能の改善、乳化剤
類似した成分:ラノリン、ダイズステロール
コレステロールとは化粧品に幅広く含まれている成分で、化学式C27H46Oで表されるトリテルペノイドの一種です。常温では白色もしくは淡黄色の結晶で、水には溶けにくい一方、アルコールやエーテル、油性成分とは馴染みやすい性質を持っています。体内にも細胞膜の成分として豊富に存在する成分で、工業的にはヒツジなどの皮脂腺から分泌されるラノリンから溶媒抽出することによって得られます。
特筆すべき性質としては肌のバリア機能の改善効果が挙げられます。コレステロールは肌の角質層にも豊富に存在するため、肌に塗るとよく馴染み、表面からの水分蒸発を防いだり、皮膚を軟化させ、他の成分を馴染ませやすくしたりする効果があります。また、コレステロールは親油性の乳化作用も持っているため、親水性の乳化剤と合わせて使用することにより、製品の安定性を高めます。
天然由来の成分で肌を構成する成分の1つであるため、安心、安全に利用することができます。また、ラノリンを生み出すヒツジは家畜として古くから飼われており、羊毛や食肉など、様々な用途で利用することができます。しかし、健康診断において「血中コレステロール濃度」が指標として用いられるなど、若干ネガティブなイメージがあるため、有効成分として取り上げられるケースはやや少ない印象です。
類似した成分としてはラノリンが挙げられます。ラノリンはヒツジの皮脂腺から分泌される成分そのものを指し、コレステロールの他に高級アルコールと脂肪酸のエステル等を多く含んでいます。そのため、コレステロールよりも常温でより柔らかく、保水や光沢付与の効果に優れています。化粧品にはそれぞれの性質を活かす形で利用されています。
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