使用の目的:皮膜形成、刺激性の低減
類似した成分:ポリオクタニウム-51
ポリオクタニウム-61とは様々な化粧品に含まれている成分で、構造中に第4級アンモニウムを含む界面活性剤の一種です。化学的にはMPCモノマーとメタクリル酸ステアリルを重合させた構造となっており、界面活性剤として水に溶けやすいため、水溶液の状態でしばしば用いられます。合成はやや複雑な手順を踏みますが、工業的な方法が確立されています。ポリオクタニウム-61の名称が正式名称ですが、リピジュアの登録商標でも知られています。
特筆すべき性質としてはその皮膜形成作用が挙げられます。ポリオクタニウム-61は肌に塗ると皮膜を形成しますが、水にも油にもなじむ界面活性作用を持つため皮膚に馴染みやすく、かつ保湿作用にも優れています。また、その一方で皮膜自体が水や油の蒸発や透過を防ぐため、肌からの水分蒸発や刺激物による皮膚へのダメージを防ぐことが可能です。その他にもファンデーションの使用感向上やヘアケア製品の帯電防止、といった目的でも利用されています。
ヒトの細胞膜と構造が類似しており、化学的に安定かつ毒性や刺激性もないため、安心して利用することが可能です。特に他の成分による刺激を緩和する作用については、この成分を積極的に取り入れるべき理由となります。高濃度の原液も比較的安価に利用可能で注目されていますが、「界面活性剤」に分類されるが為に使用が避けられることがあります。
類似した成分としてはポリオクタニウム-51が挙げられます。ポリオクタニウム-51はポリオクタニウム-61と同様に被膜形成剤として利用され、同様にリビジュアの名称で知られていますが、ポリオクタニウム-51はやや保湿効果に特化しており、その目的で使用されることが多いのが特徴です。
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