使用の目的:収れん作用
類似した成分:クロルヒドロキシアルミニウム
塩化アルミニウムは一部のスキンケア製品や制汗剤に使用されている成分で、化学式AlCl3・6 H2Oで表される金属塩化物の一種です。常温では白色の固体で、水やエタノールに溶けやすく、一部の油分にも若干溶ける性質を持っています。工業的には金属アルミニウムに直接塩素もしくは塩化水素を反応させることによって合成します。
特筆すべき性質としては毛穴を引き締める収れん作用が挙げられます。塩化アルミニウムを含む化粧品を肌に塗ると皮脂のタンパク質を強力に凝固させるため、皮脂や汗の分泌が抑えられます。また、塩化アルミニウムは毛穴に入り込み、汗を出す管を水酸化物のゲルを作ることによって根元から塞ぐため、汗の分泌はさらに抑えられます。塩化アルミニウムのこの作用は他の成分より極めて強く、発汗を抑制する目的で、医薬品としても用いられています。
医薬品及び化粧品成分として100年程の歴史があり、強い効果が期待できる成分ですが、水やや強い塩基性を示すこと、毛穴の奥深くまで浸透することから肌に塗ると刺激を感じ、体質によっては肌荒れ等の副作用が現れることがあります。また、脇の下などに用いた場合、衣類に付着してダメージを与えてしまうため、化粧品としてはあまり積極的に用いられなくなっています。医薬品としても近年、塩化アルミニウムと異なった作用機構を持った製品が開発され、主にそちらが利用されるようになりました。
類似した成分としてはクロルヒドロキシアルミニウムが挙げられます。クロルヒドロキシアルミニウムは塩化アルミニウムから派生した成分ですが、塩化アルミニウムと比較してpHが中性に近く、また、肌への刺激も穏やかなため、発汗抑制を目的とした化粧品では主流の成分として用いられています。
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