使用目的:増粘作用、使用感の向上
類似した成分:ジステアルジモニウムヘクトライト、シリル化シリカ、ジメチコン
ジメチルシリル化シリカとはファンデーションや口紅等に使用されている成分で、常温では白色の粉末です。工業的には化粧品原料としても使用されるシリカにシラン剤を作用させ、疎水基であるジメチルシリル基で修飾することによって得られます。
化粧品には油性化粧品の使用感の向上や増粘作用を主な目的として配合されています。原料であるシリカは安定した成分であり、肌に塗った後の滑りやチキソトロピー性に優れているため、メークアップ化粧品の使用感向上のために使用されていますが、シリカをジメチルシリル基で修飾することによってより油性成分と馴染みやすくなります。そのため、口紅やファンデーションといった油性化粧品にジメチルシリル化シリカを加えることにより、粘度や滑りの良さを調整し、好みの使用感を生み出すことが可能であり、また、他の成分を製品中に安定した状態で分散させることが可能です。
化学的に不活性な成分で肌への刺激もなく、安心して使用可能な成分です。しかし、親水基を構造内に持たないため水には溶けず、化粧水等への使用は不向きです。また、ジメチルシリル化シリカは肌に対して無害ですが、保湿や抗菌といった機能性を持ち合わせていないため、あくまでも感触改善のための添加剤として利用されています。
同様に親油性の増粘作用を持った成分としてはジステアルジモニウムヘクトライトやシリル化シリカが挙げられます。(化粧品に使用されている成分で親水性の増粘剤はグリセリンやグリコール類、キサンタンガム等数多くありますが、親油性の増粘剤は元々油性成分の粘度が高いこともあり、比較的少数です)また、油性の化粧品をよりさららさらとした感触にするためにはジメチコンやシクロペンタシロキサンが用いられます。
コメント