使用目的:使用感の向上、粘度の調整、ソフトフォーカス効果の付与
類似した成分:ジメチコン、ポリメタクリル酸メチル、シリル化シリカ
シリカとは様々な化粧品に含まれている成分で、化学式SiO2で表される二酸化ケイ素、もしくはその化合物のことを指します。常温では無色透明の粉末もしくはゲル状の物質で、無水ケイ酸もしくはケイ酸と呼ばれることもあります。自然界にも大量に存在する物質ですが、工業的には四塩化ケイ素を加熱分解する乾式法、水ガラスを鉱産によって分解する湿式法によって生産されます。
シリカは結晶の大きさによって性質が変化するため、様々な目的に使用されます。100nm以下の粒径のシリカは微粒子酸化ケイ素と呼ばれ、構造中に含まれるヒドロキシル基の影響で粘度の高いゲル状になるため、化粧品の粘度やチキソトロピー性(圧力を加えると柔らかくなり、取り除くと硬くなる性質)を高める目的で配合されます。一方、100nm以上のシリカは手触りが良く、吸着性に優れた粉末状の物質となることから、パウダーファンデーション等に好んで配合され、使用感の改良や余分な皮脂の吸収、あるいは光を散乱させ、肌をよりきめ細やかに見せる目的で使用されます。また、より大きなものは皮脂を物理的に取り除く、スクラブ剤等に利用されます。
化学的に不活性な物質で肌への刺激もなく、安心して使用可能な成分です。シリカの発がん性が取り上げられることがありますが、化粧品目的では用いられない「結晶性シリカ」によるものであり、問題となることはありません。しかし、シリカに関する「効果」については注意が必要です。化粧品に使われているシリカは基本的に感触や外観の改良のために用いられますが、一部の健康食品等について過大な効果を謳った製品が発売されており、化粧品に関しても今後、検証が不十分な効果が謳われる懸念があります。
同様の作用を持った成分として、感触を改良するためにはジメチコンやシクロペンタシロキサン、光を散乱させる、もしくは肌表面の皮脂を取り除く目的としてはポリメタクリル酸メチル等に代表されるマイクロビーズが用いられます。また、一部の構造を化学的に修飾することによって性質を改良することが可能で、シリル化シリカ、ジメチルシリル化シリカ等が代表例です。
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