過酸化水素

成分

使用の目的:髪の脱色

類似した成分:ハイドロキノン

 過酸化水素とは髪の脱色を目的とした製品に利用されている成分で、化学式H2O2で表される物質です。オキシドールと呼ばれることもあり、常温では無色透明の液体で、水と混和し、油とは馴染みにくい性質を持っています。天然にも存在する物質ですが、工業的にはアントラキノンを水素でハイドロキノン誘導体に還元し、酸素と反応させることによって得られます。

 特筆すべき性質としては優れた漂白作用が挙げられます。過酸化水素が含まれたブリーチ剤を髪につけると髪に浸透し、内部に含まれるメラニン色素を酸化することにより、フェオメラニンへと変化させます。フェオメラニンは通常のメラニンとは異なる黄赤色を示すため、髪全体に浸透させることにより、髪の色を明るく変化させることができます。

 過酸化水素は髪の色を明るくする目的ではとても有用です。「メラニン色素の産生を抑える」成分としてはハイドロキノンやコウジ酸等が有名ですが、過酸化水素はメラニン色素自体に作用するため、即効性が期待できます。しかし、肌への刺激性が強く、また、腐食性も認められているため化粧品への配合は禁止されています。

 類似した成分としてはハイドロキノンが挙げられます。ハイドロキノンは過酸化水素を合成する際の中間体としても知られており、過酸化水素と同様に「メラニン色素を抑える」成分として用いられていますが、肌への刺激が比較的低く、また、メラニン色素自体は分解せず、メラニン色素の合成を妨げることが特徴です。ハイドロキノンは化粧品成分としての配合が禁止されていないため、肌の美白を目的とした製品にしばしば用いられています。

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