ポリシリコーン-15

成分

使用の目的:紫外線吸収剤

類似した成分:メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ジメチコン

 ポリシリコーン-15とは一部のヘアケア製品や日焼け止め製品を中心に利用されている成分で、ジメチコンのメチル基の一部をベンジリデンマロン酸ジエチルで置換したポリシリコーン誘導体の一種です。ポリシロキサン-15と呼ばれることもあり、常温では無色透明の液体で、水に溶けにくく、各種の有機溶媒に溶けやすい性質を持っています。

 特筆すべき機能としては比較的優れた紫外線吸収剤としての役割が挙げられます。ポリシリコーン-15は構造内に紫外線を吸収する共役二重結合と呼ばれる構造を持っており、紫外線の中でも肌の炎症やDNAの損傷といった、より深刻な問題を引き起こすUV-Bを選択的に吸収する作用を持っています。その作用自体は一般的な紫外線吸収剤と比較すると弱いものの、均一に塗ることができることが特徴で、実用上はメトキシケイ皮酸エチルヘキシルに劣らない効果を期待することができます。

 紫外線吸収剤としては比較的新しい成分で、従来の紫外線吸収剤のデメリットであった肌への刺激性をシリコーンの作用で抑えることができるため、より安心かつ安全に利用可能です。また、他の紫外線吸収剤と併用することで安定な皮膜を形成し、その効果を高める作用があることも確認されています。しかし、化粧品成分としての利用実績が少ないため、現時点では他の成分の方が好んで利用されます。

 類似した成分としてはメトキシケイ皮酸エチルヘキシルが挙げられます。メトキシケイ皮酸エチルヘキシルはポリシリコーン-15と同様にUV-Bの吸収性に優れた紫外線吸収剤で、日焼け止め製品を中心に比較的古くから利用されています。ポリシリコーン-15の方がメトキシケイ皮酸エチルヘキシルよりも低刺激ですが、UB-Bの吸収性の強さや原料としての使い勝手の良さから、後者の方がより一般的に用いられています。

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