シルクパウダー

使用の目的：使用感の向上、保湿

類似した成分：加水分解シルク

　シルクパウダーとはメイクアップ製品を中心に幅広く利用されている成分です。化粧品成分としては単にシルク、もしくはシルク末と呼ばれることもあり、常温では白色の粉末で、水、油どちらとも馴染みにくい性質を持っています。工業的にはカイコの繭から得られる繊維である絹を粉末状に加工することによって得られます。

　特筆すべき性質としてはその滑らかな使い心地が挙げられます。シルクパウダーはフィブロインと呼ばれる繊維を主成分としており、この繊維はグリシン、アラニン等、人体と極めて近い組成を持ったタンパク質で成り立っています。そのため、化粧品に配合すると他の成分による違和感を大きく軽減することが可能です。また、これらのアミノ酸は保水性に優れているため、保湿効果も期待することができます。

　天然由来の成分で肌に対する刺激性や毒性の心配もなく、安心、安全に利用可能な成分です。また、シルクパウダーは光沢性にも優れ、皮脂をよく吸着する為、肌のテカリを抑えてより自然な輝きを持たせます。しかし、皮脂の吸着性が高いが故に乾燥した冬の使用にはやや不向きで、使用の際はクリームで皮脂を補う、保湿作用に優れた化粧水を使うなど、十分な対策が必要になります。

　類似した成分としては加水分解シルクが挙げられます。加水分解シルクはシルクパウダーと同様に絹を原料として得られますが、常温で水溶性の液体であること、また、タンパク質が適度に加水分解され、低分子になっている点でシルクパウダーと異なります。加水分解シルクは主にタンパク質による髪の毛の修復や保湿を目的として利用されています。