マカデミア種子油

成分

使用の目的:使用感の向上、基剤成分

類似した成分:オレイン酸、パルミトレイン酸

 マカデミア種子油とは化粧品に幅広く含まれている成分で、不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸を主成分としています。マカデミアナッツオイルと呼ばれることもあり、常温では無色〜薄褐色の液体で、水とやや馴染みにくく、油と馴染みやすい性質を持っています。工業的にはヤマモガシ科の植物マカデミアの種子を圧搾することによって得ることができます。

 特筆すべき性質としては優れた使い心地が挙げられます。マカデミア種子油にはオリーブ果実油や米ぬか油と同様にオレイン酸を主成分としていますが、パルミトレイン酸を20%以上含んでいることが大きな特徴です。パルミトレイン酸は皮脂にも多く含まれる成分で、肌との馴染みがとても良いため、化粧品の使用感を向上させる目的でマカデミア種子油はしばしば用いられます。

 天然由来で肌への刺激性や毒性もなく、安心、安全に利用可能な成分です。また、マカデミアナッツは栽培が容易で、かつ炭素の固定や土壌の肥沃化に寄与することから、持続可能性にも優れています。しかし、オレイン酸やパルミトレイン酸が多く含まれるため、肌につけすぎるとニキビなどの原因となり、酸化すると加齢臭の原因となるノネナールが生まれ、使用感が大きく損なわれてしまいます。

 類似した成分としてはオレイン酸が挙げられます。オレイン酸はマカデミア種子油の主成分で、オリーブ果実油や米ぬか油の成分として、あるいは単独で化粧品に用いられていますが、マカデミア種子油と比較するとより「重い」使い心地になります。そのため、肌に直接つける用途よりは、肌への適度な馴染みやすさや水への溶けやすさを活かした、石鹸の原料などにより好んで用いられています。

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