サリチル酸メチル

成分

使用の目的:香料、冷感作用

類似した成分:メントール、ユーカリ葉エキス

 サリチル酸メチルとは一部のスキンケア化粧品に含まれている成分で、化学式C8H8O3で表されるフェノール類の一種です。常温では無色~微黄色の液体で、水に溶けにくい一方、エタノールやエーテルとは任意の割合で混ぜ合わせることが可能です。天然ではウインターグリーンと呼ばれる木々に多く含まれていますが、工業的にはサリチル酸とメタノールを反応させることによって容易に得ることが可能です。

 特筆すべき性質としては特有の香りが挙げられます。サリチル酸メチルは消炎鎮痛成分としても有名ですが、揮発すると「湿布のような匂い」を感じます。そのため、他の香料と併用する形で、匂いに爽やかさを出すために利用されます。また、肌に塗ると揮発性が高く熱を奪うため、冷感成分として利用されることもあります。

 医薬品としてもお馴染みで、肌に対する刺激も少ないとされています。また、微量が食品添加物として利用されることもあります。しかし、消炎鎮痛剤としての作用の強さや眼に対する刺激の強さ等から化粧品への配合量が制限されており、また、冷感目的であればメントールやユーカリ葉エキスの方がより心地よさを感じるため、化粧品への利用はやや限定的です。

 類似した成分としてはメントール、ユーカリ葉エキスが挙げられます。メントールやユーカリ葉エキスはサリチル酸メチルと同様に爽やかな香り付けや冷感作用を出す目的で利用されますが、薬としての効果がないため使いやすいこと、香りがより心地よいこと等から、化粧品ではより一般的に用いられています。

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