パルミチン酸レチノール

成分

使用の目的:ニキビ予防、シワの防止

類似した成分:レチノール、酢酸レチノール

 パルミチン酸レチノールとはスキンケア製品を中心に利用されている成分で、化学式C36H6O2で表されるビタミンA誘導体の一種です。広義の「レチノール」配合化粧品に使用されている代表的な成分で、常温では薄黄色〜赤黄色の液体で、水やエタノールと馴染みにくく、油と馴染みやすい性質を持っています。人の皮膚の中にも存在する成分ですが、工業的にはレチノールとパルミチン酸を反応させることによって合成したものが利用されています。

 特筆すべき性質としては肌のターンオーバー促進作用が挙げられます。レチノールやその他のビタミンA誘導体が含まれた医薬品や化粧品を肌につけると細胞の成長や増殖を促進することが知られており、ビタミンA誘導体の一種であるパルミチン酸レチノールに関しても同様の効果が期待できます。また、パルミチン酸レチノールには日焼け止めとして使用できるほど強くはないものの、一定の紫外線吸収効果があることも判っています。

 人体にも含まれている成分で、広義のレチノールの中では作用が穏やかなため、比較的安心、安全に利用できます。また、他の「レチノール」が紫外線に弱く夜間の使用が推奨されるのに対して、パルミチン酸レチノールは日焼けに対するケアを十分に行えば朝に使用することも可能です。しかし、広義のレチノールの中では作用が穏やかな分効果を実感しにくく、また、人によっては肌にレチノイド反応に起因する刺激を感じることがあります。

 類似した成分としては純粋レチノールが挙げられます。純粋レチノールはパルミチン酸レチノールと同様にビタミンA誘導体の一種で、パルミチン酸レチノールと同様の作用を持っていますが、よりその効果が高いことが特徴です。化粧品には求める効果の強さに応じて使い分けがされていますが、レチノールの作用の強さが肌への強い刺激をもたらすことから、より穏やかなパルミチン酸レチノールの方が好んで利用されています。

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