使用の目的:ネイル、マツエクなどのグルー
類似した成分:エチルシアノアクリレート、オクチルシアノアクリレート
ブチルシアノアクリレートとはネイル、まつげエクステ等のグルーに利用されている成分で、化学式C8H11NO2で表されるアクリル樹脂の一種です。略称でNBCAと呼ばれることもあり、常温では無色透明の液体で、水に極めてよく溶け、アセトン等に比較的溶けやすい性質を持っています。工業的にはホルムアルデヒドとブチルシアノアセテートを縮合反応させることによって、大量に得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた接着能力が挙げられます。ブチルシアノアクリレートを密閉された容器から絞り出すと空気中の水分と反応して速やかに重合し、高分子を形成します。この高分子は無色透明で引っ張り強度に優れ、水も溶けにくいため、爪とネイルを貼り合わせる、まつ毛とエクステンションを繋ぎ合わせる等の目的でよく用いられています。また、医療用の接着剤としても一般的な成分で、傷の縫合などに利用されています。
瞬間接着剤の成分としても有名で、エチルシアノアクリレートには及ばないものの優れた接着力を示すため、使い勝手に優れています。また、エチルシアノアクリレートと比較すると発熱やホルムアルデヒドの発生も抑えられ、体内でも分解されやすいため比較的安心して利用することが可能です。しかし、固まるまで時間がかかる、粘性がやや高い等、若干使いにくさを感じることがあります。また、使用上のリスクが一般的な化粧品成分と比較してやや高いため、この成分を利用した市販品の多くは「雑貨」扱いとして販売されています。
類似した成分としてはエチルシアノアクリレートが挙げられます。エチルシアノアクリレートはブチルシアノアクリレートと同様にアクリル樹脂の一種で、接着剤として用いられていますが、発熱やホルムアルデヒドの発生などのリスクがより大きいものの、速乾性や接着力の面で優れており、使用感もよりさらさらしています。そのため、使いやすさを重視したネイルグルー等ではエチルシアノアクリレートがより好んで利用されています。
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