PCA-Na

成分

使用の目的:保湿

類似した成分:乳酸ナトリウム

PCA-Naとは水性の化粧品に広く用いられている成分で、化学式C5H6NNaO3で表されるアミノ酸の一種です。正式にはピロリドンカルボン酸ナトリウム、商品名でAJIDEWと呼ばれることもあり、常温では白色の粉末ですが、しばしば精製水に溶かした状態で流通しています。人体にも存在する天然保湿因子の一種ですが、工業的にはグルタミン酸を出発原料として合成され、用いられています。

 特筆すべき性質としては優れた保湿作用が挙げられます。単体のPCAは一般的に吸湿性に乏しいのですが、ナトリウム塩の状態では優れた性能を発揮します。PCAの水分吸収量は乳酸ナトリウムには及びませんが、代表的な保湿成分であるグリセリンよりも優れており、また、乳酸ナトリウムと比較して即効性に優れています。この保湿作用はスキンケア以外でも利用可能で、ヘアケア製品に配合すると摩擦によるきしみを軽減する効果が期待できます。

 天然保湿因子の一種で肌への刺激性や毒性も確認されていないため、安心して利用可能な成分です。また、成分の安定性にも優れているため、温度等の環境に左右されず、安定した効果を期待することができます。しかし、保湿の特性にやや癖があるため、一般的にはヒアルロンやコラーゲンと併用されることが多いです。

 類似した成分としては乳酸ナトリウムが挙げられます。乳酸ナトリウムはPCA-Naと同様に天然保湿因子の一種であり、保湿を目的に化粧品に配合されますが、構造が大きく異なり、ヒドロキシ酸に分類され、保湿特性も先述の通り異なっています。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分け、もしくは併用されています。

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